法真寺(桜木の宿)

横断歩道をはさみ、東大の象徴である赤門の真向かいに建つのが法真寺だ。

一葉が幼少期を過ごした家は現在、法真寺の境内となっている。当時は寺の東隣に建っていた。

45坪もある立派な屋敷で、庭には立派な桜の木があったという。

父・則義もまだ健在で警視病院の会計係を務めており、家は裕福だった。経済的には最も恵まれた時期に過ごしたこの家を、一葉は「桜木の宿」として懐かしんだ。

一葉はここで4歳から9歳(明治9~14年)までの5年間を過ごしている。

日記『塵の中』で「草草紙が好きで、手鞠や羽子板をなげうって読みふけっていた。特に好きだったのは英雄豪傑の物語だった」と振り返っているのが「七つといふとし」だから、ちょうどこの時期にあたる。

「普通の一生で終わりたくない。竹のひと節でもいいから抜きん出た身になりたい」と志したのは「九つ斗(ばかり)の時」。作家・一葉の土台は桜木の宿で形成されたと言えるだろう。

境内にある「一葉塚」の背後には、草草紙を手にする少女・一葉の像がある。有名な肖像写真をほうふつとさせる、きりりとした眉立ちだ。

像の脇には桜の木が植えられている。品種はその名も「一葉」。

本堂右手にあるベンチにも、一葉をモチーフにしたと思われるブロンズ像が。

髪を下した袴姿は、木下杢太郎記念館にある写真を思わせる。

毎年11月23日には「文京一葉忌」が執り行われる。過去には瀬戸内寂聴の講演や、幸田弘子による朗読が催された。

DETA

住所○東京都文京区本郷5-27-11

アクセス○東京メトロ丸ノ内線/都営地下鉄大江戸線「本郷三丁目」駅より徒歩5分

東京メトロ南北線「東大前」駅より徒歩5分

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